'13/1/25 (Fri)
哲学的な話になります。
人生は股関節の歴史であると言えるのではないでしょうか。
残念なことに先天性股関節脱臼という疾患を生まれながらに患ってしまった股関節があります。
無事生まれてきた大多数の股関節も最初は100%寝たきりです。
いつ頃からかじっとしていられなくなり、ハイハイからよちよち歩きができるようになると周りで見ている股関節たちは狂喜乱舞します。
転倒をくり返しながらも歩いて歩いて、歩いて、そしていつの間にか走れるようになり満面の笑みがこぼれるのです。
その後は筋肉が発達し十分な筋力に支えられ事故や怪我さえなければ問題なく過ごしていくのです。
選ばれし股関節は世界のトップアスリートへと育っていくものもあります。
生きていれば必ず訪れる加齢と運動不足によって知らず知らずのうちに筋肉が衰え筋力が低下してくると股関節に負担がかかるようになります。
軟骨がすり減り変形性股関節症を患う股関節もあります。
症状が激しい股関節は人工関節にする手術を受けたりします。
運悪く転倒の仕方によってはせっかくの人工関節が外れ股関節が脱臼したりします。
以前病院で左右両方の股関節脱臼を起こした人工股関節が救急で運ばれて来たのを見ました。
「なんだ!また外れたのか?」と白衣をまとった股関節につっこまれてました。
さらに高齢になるとバランス能力や骨密度が低下し転倒すれば大腿骨頚部骨折を起こし入院生活をよぎなくされます。
待っているのは過酷なリハビリです。
若かった頃とやってることはそう変わらないのになぜか表情は苦しいのです。
残念なことに人生の末期は股関節が機能せず人生の初期と同じように寝たきりで最期を迎える股関節も中にはあります。
さて、これほどまでに重要でありドラマチックな変化という宿命をあたえられたのが股関節です。
股関節を生かすも殺すも持ち主次第なのです。