'11/8/19 (Fri)
先日、ある患者さんが血圧が190まで上がり鼻出血を起こし、それが止まらなくてかかりつけの病院に行きました。
そこでは、鼻出血に驚いて血圧が上がったのでしょうという説明をうけたそうで、本人はそれなりに納得?!
その話を翌日私は聞きましたが、その説明の意図はなんだ?、心配をかけさせないためなのか・・・
ちなみに私の想像では、血圧上昇の原因が鼻出血ではなく、血圧上昇の結果として鼻出血を起こしたと考えます。
血圧上昇の原因は他にあるわけですが、そもそも血圧とは心臓が送りだした血液の勢いが動脈の内壁にかかった時の圧力になります。
血圧は循環血液量と末梢血管抵抗により決まります。
私の血圧はおよそ120/70くらいなのですが、単位はmmHgというもので、血圧計の水銀柱の高さがどのくらいになるかというものです。
つまり、120/70というのは、この高さが、私の心臓がギュッとなった時は120mm、フッとなった時は70mmになるというものです。
ちなみに頚動脈を切られると血柱が3m(3000mm)にも達すると言われていますので、心臓が血液を送り出す力というものは相当なものです。
少々話が脱線してしましましたが、心臓が送り出す勢いというのはこれほどのものなのにさらに血圧を上昇させなければならない理由というのは何なのでしょうか。
私の想像するところ、それは一時的に血行が悪くなったのではないかと思いました。
血行が悪くなる原因はいろいろ考えられますが、この季節にありがちなのは冷房で身体が冷え過ぎることです。
患者さんに身体を冷やしませんでしたか?と尋ねたところ、就寝中に冷房が効きすぎて寒くなって目が覚めたとのことでした。
鼻出血はその朝起きたとのことでした。
これまた私の想像ですが、鼻出血が起きたので血圧は190まで下がったのかもしれず、切れた血管が鼻でよかったのではないかということです。
血圧は、言わずと知れたことですが、高血圧が問題の大多数になります。
なぜ問題かというと、動脈硬化が進み、その結果重篤な疾患にかかることがあるからです。
高血圧には本態性高血圧と二次性高血圧というものがあります。
本態性というのは原因となる病気がないのに血圧が高くなっているもので、二次性というのは病気が原因で血圧が高くなっているというものです。
高血圧と言われている人のほとんどが本態性です。
さしあたり原因が良く分からず高血圧になっているというものです。
この場合の西洋医学における治療は、薬で血圧を下げるというものです。
そして患者さんが改めなければいけないことが、生活習慣の改善です。
具体的には、塩分、脂肪、アルコールの摂取制限、禁煙、適正体重の維持、少々きつい運動、などです。
これらを行うことで、血行が改善されます。
ちなみに東洋医学での治療は血行の改善に重きを置いています。
血行が改善されれば、血圧は下がります。
血流が良くなるということは、血管にかかるストレス(血圧)が少ない状態で血液が流れているということです。
血圧が上がると肩が凝ると言いますが、肩が凝っているから血圧が上がっているのだとも言えます。
肩が凝ると、脳に行く血流が悪くなります。
すると脳は、血液を必要とするため、自律神経に命令して血圧を上げさせて、新鮮な血液を獲得しようとするのだと思います。
さて、今回は少々専門的な話になってしまいました。
専門的になると話がおもしろくなくなるので、載せるかどうか迷ったのですが、長々とガンバって書いてみたので載せることにしました。